『失踪』『断崖』に続く大好評の初文庫化作品集の第3弾。
夫を亡くし再婚したが、あることをきっかけに再び強く夫を思う女の姿を描いた「紙碑」や伊能忠敬の評伝「老十九年の推歩」のほか、「途上」「夏島」「信号」の5編を収録。
不遇なまま死んだ画家の妻は、その後再婚し穏やかな日々を送っていた。しかし、ある出来事を契機にその日々は乱れ始める。
―2人の男の間で揺れる、女心を描いた珠玉の作品「紙碑」、人生に絶望し、死を求めていた男の姿を通して、生きることの意義を問う「途上」、伊能忠敬の実像に迫った「老十九年の推歩」など5編を収録。