青年将校らの精神的支柱となっていた「魔王」北一輝。
しかし、若い彼らの動きは、最早、北の意図を超えるまでに尖鋭化していた。様々な思いの青年将校たち。
「時機尚早」を唱えていた部下思いの安藤大尉はなぜ蹶起に踏み切ったのか。複雑な人間模様。革新への熱と逡巡。刻一刻と緊張感高まる二・二六事件決行前夜を括写する。
著者略歴
松本 清張
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。
56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。
63年「日本の黒い霧」などの業績により第5回日本ジャーナリスト会議賞受賞。
67年第1回吉川英治文学賞受賞。
70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。
92(平成4)年8月死去。